2025/06/30

Taiwan Today

外交

呉釗燮外交部長、訪問先スロバキアで基調講演

2021/10/27
外交部の呉釗燮部長は、訪問先のスロバキアで開催された「台湾フォーラム」で基調講演を行った。今後もスロバキアとの協力関係を深め、様々な分野での提携を目指すとした。(中華民国外交部提供、中央社)

外交部(日本の外務省に相当)の呉釗燮部長(外相)は26日、スロバキアの首都ブラチスラバのシンクタンクGLOBSECの招きに応じて、GLOBSECが主催した国際会議「台湾フォーラム」において、基調講演を行った。

呉釗燮部長は講演で、「台湾における民主主義の発展と中東欧諸国の権威主義からの体制転換には、同様の歴史的背景がある。台湾とスロバキアの両国は、自由、法治主義、人権という共有する価値観を堅持している。そのため、理念を同じくするパートナーには、既存する良好な関係のもと、貿易、投資、産業連携など各分野での協力関係の強化を呼び掛けている。アフターコロナでの経済回復に向けた取り組みを互いに支援し、繁栄がもたらされるよう期待している。台湾の企業は、スマートマシン、グリーンエネルギー産業などの分野で、スロバキアの企業との提携チャンスを継続的に模索している。台湾の中東欧3カ国経済貿易投資視察団がスロバキア、チェコ、リトアニアを訪問して、商機を開拓するのは最も良い例だ」と説明した。

呉部長はまた、台湾で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した時に、スロバキア、チェコ、リトアニア、ポーランド、米国、日本から次々とワクチンが贈与されたことは、民主主義諸国間の「善意の循環」を表しているとした。スロバキア国会外交委員会が今年、世界保健機関(WHO)年次総会(WHA)に台湾が参加することを支持する決議案を可決したことについて呉部長は、極めて意義深く、深く感謝していることを伝え、台湾とスロバキアの両国関係は、既存する友好関係に基づいて、引き続き多方面での協力関係を深めていくとの意気込みを示した。例えば、スロバキアと9月に初めて共催したGCTF(グローバル協力訓練枠組み)のバーチャルセミナーでは、アフターコロナの新たな働き方について討論した。11月には、フェイクニュースなど偽情報拡散に対抗するための討論会も共催する予定だ。さらには、今後双方は教育及び主要産業に関する提携の強化も計画している。

GLOBSECは中東欧地区で最も著名なシンクタンクの一つで、毎年6月に開催する外交・安全保障政策に関する国際フォーラム「ブラチスラバフォーラム(Bratislava Forum)」は、欧州における重要な議論の場となっている。過去には、多くの欧州諸国の大統領、総理、大臣らが招きを受けて出席している。それらには、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、スロバキアのズザナ・チャプトヴァー大統領、エストニアのケルスティ・カリユライド大統領、北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長など政府高官や幹部が含まれており、GLOBSECが主な欧州国家から重要視され、同地区の政治において重要な地位を占めていることがわかる。

台湾とスロバキアは、「二重課税回避協定」、「運転免許の相互承認に関する協定」、「ワーキングホリデー覚書」、「経済協力に関する覚書」などを相次いで締結しており、台湾企業にとって絶好の投資環境が整っている。スロバキア政府はそのほか、9月25日に台湾へ、英アストラゼネカ製の新型コロナワクチン16万回分を贈った。台湾が一時的なワクチン不足の困難に直面した際、ワクチンカバー率上昇に役立つスロバキアの支援は、台湾の人々に大きな感動を与えた。新型コロナのパンデミックと共に闘う民主主義諸国の良好な連帯関係のもと、台湾とスロバキアの友好関係がアフターコロナ期の経済回復に向けて、様々な分野での提携拡大を継続していくことが望まれる。

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